私たちは一日に2万回以上、無意識に呼吸をしています。「呼吸」は「食事」や「運動」と同じように、健康を支える大切な習慣です。
しかし、その呼吸の「質」が、体調やお口の状態に影響していることはあまり知られていません。
忙しいときやストレスを感じているとき、気づけば呼吸が浅くなっていることはないでしょうか。
このような状態ではリラックスしにくく、疲れが抜けにくくなるだけでなく、睡眠の質にも影響するといわれています。
一方で、ゆっくりと安定した呼吸は、体を落ち着かせる働きがあります。特に「ゆっくり吐く」ことを意識した呼吸は、副交感神経を優位にし、心身のリラックスにつながります。
結果として、眠りやすくなったり、日中の緊張がやわらいだりといった変化が期待できます。
肩こりや腰痛などで長年悩まされている方も、その原因は呼吸かもしれません。
例えば、肩を動かしながら呼吸をするクセがある方は、肩や首の筋肉が過剰に使われて、肩こりの原因となっている可能性が考えられます。
同様に、呼吸によって上下する横隔膜の動きがよくないと、腰を反って呼吸することになり、腰への負担が増し腰痛を誘発しているかもしれません。
呼吸の質は、お口の健康とも無関係ではありません。たとえば、緊張状態が続くと、無意識の食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなるといわれています。また、呼吸が乱れると口呼吸になりやすく、お口の乾燥につながることもあります。乾燥は、むし歯や歯周病、口臭のリスクを高める一因です。
では、どのように整えればよいのでしょうか。難しいことをする必要はありません。まずは気づいたときに、「ゆっくり吸って、ゆっくり吐く」ことを数回繰り返してみましょう。目安としては、4秒で吸って6秒で吐くように、“吐くほうを長くする”のがポイントです。寝る前に1分ほど行うだけでも、呼吸は整いやすくなります。
呼吸は、特別な道具も時間もいらない身近な習慣です。ほんの少し意識を向けるだけで、お口の環境だけでなく、体全体の調子にも良い変化が生まれます。毎日の生活の中で、ご自身の呼吸の「質」を見直してみてはいかがでしょうか。