知っておきたい小児矯正3
治療を始める時期、メリットとデメリット


小児矯正の3回目になります。

○治療を始める時期
治療開始に適切な時期は、患者さんの歯やあごの状態によって変わってきますし、歯科医師の考えによっても変わってきます。あごの成長のコントロールを重視する場合は、あごの成長が活発な時、上あごでは7~8歳、下あごでは11歳からの2~3年間 に合わせて治療を行うと効果が大きいとされています。この時期も男女差がありますし、もちろん個人差があります。小児矯正 治療を始める時期、メリットとデメリット


○小児矯正のメリットとデメリット
前々回の「○大人の矯正との違い」のところでも書いた、歯だけでなくあごの骨もある程度コントロールできるという点のほか、メリットとして、以下のようなことがあります。
・大人の矯正に比べて、永久歯を抜く可能性が低くなる。これもあごの成長をコントロールできることに因ります。
・あごの骨がまだ柔らかいので、歯を動かしやすく、歯の動きも早い
費用が少なく済むことが多い。ただし、適切な時期に治療を行った場合。
逆にマイナス面は以下が考えられます。
・永久歯が生えそろう時期まで経過観察が必要なので、通院期間が長くなることがある。
むし歯になりやすい。子どもの歯は柔らかく、矯正治療中は歯みがきが行き届かなくなることがあり、むし歯のリスクが高まります。矯正中にむし歯の治療が必要になると矯正治療を中断することもあり、治療前にむし歯を治しておくことも含めて、注意が必要です。
お子さんのモチベーション(動機づけ)が上がらないとよい結果が出ない。小児用矯正装置はご家庭で取り付けるタイプのものが多いので、お子さんの協力が必要です。

どんな治療でも医師と十分意思疎通して、相談納得して治療することが重要です。なかでも矯正治療は時間や費用がかかり、治療時期の見極めもむずかしいので、少しでも心配があったら、専門医に相談されてみてはいかがでしょうか。