「8020(ハチマルニイマル)運動」と歯の定期検診

 歯や口のなかの健康への意識は高まってきているようです。最近の調査では半数近くの方が、歯や口のなかの状態を歯科医院などで定期的にチェックしていると答えています。その効果のあらわれのひとつと考えられますが、「8020(ハチマルニイマル)運動」という取り組みについても成果が出てきています。
 皆さんも「8020(ハチマルニイマル)運動」という取り組みについて、一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動で、20本以上の 歯があれば、食生活にほぼ満足することができると言われていることからきています。
この「8020」の達成率が、運動開始当初は7%程度だったものが、最近の調査では50%を超えたそうです。 80歳における平均残存歯数も、4~5本 17本近くにまで上がってきました。

このように一定の成果を上げている健康への取り組みですが、欧米先進国のレベルにはまだ達していない部分もあり、定期検診の受診率は80%を超えており、残存歯数も20本を超えているという国があります。それらの国に追いつくことだけでなく、ひとりでも多くの人が快適な生活を送れるよう定期検診の受診率を上げていく努力は今後も必要です。
そういうわけで、歯科の定期検診をお奨めする主な理由をあげてみます。
早期発見…虫歯では痛い思いをする前、大がかりな治療になる前に対処できます。歯周病については特に痛みがないので発見が遅れがちです。歯茎のチェックや歯周ポケットの測定で適切な処置がとれます。
治療費節約…悪いことろもないのにお金を払う定期検診は割高な感じがします。しかし、重症化してしまったむし歯の治療費だけでなく、詰め物・かぶせ物の寿命による再治療、さらには歯周病からその関連性が指摘される糖尿病、肥満、その他の生活習慣病に及ぶリスクを考えると治療費の面からもメリットがあります。
他にも、ブラッシングなどお口のケアの指導や、ブラッシングでは取れない歯石を取り除いてくれたりと、お口の健康を考えたメニューがいろいろとあります。

55~74歳に聞いた健康についてのアンケートで、健康について後悔していることの第1位は、「歯の定期検診を受ければよかった」だったそうです。皆さんも歯の定期検診に行って老後に後悔をしないで済むようにしましょう。